新札で苦労した
20年ぶりに紙幣(日本銀行券)のデザインが一新された。新しい紙幣を求め
銀行には長蛇の列が出来ていたが、オヤジはあの現象が理解できない。欲しい
番号が指定出来たり、値打ちのある番号の発行が初めから公表されているなら
朝早くから並ぶのも理解できるが、そうでなければその内否が応でも新札しか
お目に掛かれなくなる。従ってそんなに焦る必要は無い。日本人は、意外にも
ミーハーが多い様である。新札への対応については、自動販売機や両替機など
巷では随分苦戦している様だが、キャッシュレス化が進む世の中でも、やはり
現金の扱いは重要になる様だ。そんなニュースを見ながらオヤジは40年ほど
前の事を想い出していた。それは5千円札が聖徳太子から新渡戸稲造に、千円
札が伊藤博文から夏目漱石に替わった、昭和59年ぐらいのことだったと思う。
その頃、頻繁に訪れていた台湾でチョッとしたトラブルがあった。もう時効と
思うが、その頃オヤジは「ヤミ」で両替をしていた。台湾で「金楼」「銀楼」
と書かれた看板を上げている、いわゆる貴金属店の奥に入って行き「エクスチ
ェンジ」と叫ぶと両替をしてくれる。電話を掛ければ、昔のバスガイドが使う
ようなカバンを抱えてホテルまで来てくれるが、こちらはあまり使わなかった。
この金楼・銀楼での両替は、一般の銀行らと比べるとかなり換金率が高かった。
ある日、新札で両替に行くと「偽札」だと騒がれ大変な目に遭った。銀行とは
違い、まだ情報が伝達されていなかったからだ。一時軟禁状態になり掛けたが
濡れ衣が晴れた時、お詫びと記念だと言って通常よりも更に色を付けてくれた。
新しく発行された紙幣を使って海外で換金すること、この先もあるのだろうか。
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