毒物紛失の問題
某大学で「青酸カリウム」と「青酸ナトリウム」が紛失したとワイドショーが
報じた。この話しを聞いた時オヤジは、これは「盗難」に遭ったなと直感した。
その理由は、紛失した数量だった。それぞれ25gずつ計50gが無くなって
いると聞いても大概は、通常の500g入り試薬瓶からの減量が頭に浮かんで
しまう。しかしこの手の毒劇物は、通常の500g入り試薬瓶で購入する事は
稀で、ほとんどは25g入りの小型試薬瓶で購入するからだ。従って、各1瓶
ずつ2瓶がそっくり消えたなと思った次第である。大学や研究室の薬物管理は
ことのほか厳しく、この管理方法は「毒劇物取締法」の中でも規定されている。
オヤジ達の時代、鍵は責任者だけが持ち、使用薬品はノートへの「記帳式」で
管理されていたが、計量器つまり秤が精密だったので、小数点以下の数量まで
管理されていた。今の時代、薬品庫の開け閉めがパソコンで管理されていれば
誰が何の目的で何の薬品をいくら使用したか、十分追及して行ける気がするが
そこには「性善説」による証言が必要となる。今回の場合は、開け閉め管理に
安心してしまい、それ以降の管理がずさんだ。ここまで時代が進めば、あとは
計量までパソコンに取り込むシステムが必要になって来る。何のために毒物を
持ち出したか解らないが、経時変化でCO2を吸収し無毒化する事に期待する。
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