もっと勉強しろ
本日も航空機衝突について話したい。連日多くの「航空評論家」がマスコミの
取材に答えているが、オヤジに言わせればいい加減な奴が多い。こんな事なら
オヤジの方がもっとまともな話しが出来るだろう。オヤジが信頼を寄せるのは
元日本航空の機長だった小林氏だ。余計なことは言わず自身が経験した内容を
適格に答えている。これで良いと思う。しかしとある「アホ」評論家の回答に
オヤジは開いた口が塞がらなかった。今回の衝突事故の焦点は海上保安庁機が
管制官の指示を聞き間違え、許可の無いまま滑走路に侵入したとされているが
海上保安庁機の機長は許可は得たと話し意見が食い違っていると言う。そこで
この評論家が出した見解は「日本航空機と海上保安庁機は別々の無線周波数を
聞いていたのではないでしょうか、従って日本航空機に対する着陸許可が確認
できないまま別の周波数で指示を受けた可能性がありますね」と言ったものだ。
この時の状況を考えてみよう。管制官が日本航空機に対して着陸許可を出した
のはタワーコントロールである。着陸の許可はタワーしか出せないからである。
一方、海上保安庁機は「YourNo.1」と言う指示聞いている。この時に
周波数が違うと言うのならば、この無線通信はグラウンドコントロールからの
指示になってしまう。通常、飛行機をスポットから滑走路の手前まで誘導する
のはグラウンドコントロールの業務だが、普通はタキシング中に「コンタクト
タワー(周波数)」を発してタワーコントロールとの交代を指示する。ここで
周波数を切り替えてタワーとの交信に入ることになる。そこで初めて滑走路に
進入するのが何番目かを伝えられる訳だ。つまり、管轄が異なるグラウンドが
タキシングの順番は伝えても、滑走路に進入する順番で「あなたが1番」など
と発することは絶対にあり得ない。そんな訳で双方が聞いていたのはタワーの
周波数、124.350MHzだ。こんな評論家はもう少し勉強をして欲しい。