無精者サンダル
家内と一緒に買い物に出掛け、面白いサンダルを買って来た。前後どちらから
でも履けるサンダルだ。X文字状の鼻緒がサンダル本体の中央に取り付けられ
本体は、前後対称の形をしているので、どちらからでも足を入れる事が出来る。
確かに、そのままサンダルを脱いで家に上がっても、そのまま履いて行く事が
可能になる。わざわざ逆向きに脱いだり、脱いだあとスリッパの向きを変える
必要も無くなり、ある意味合理的なスリッパである。しかし、子供のころから
履物は「帰る時や次の人が利用する時に履き易い様に脱ぎなさい」と母親から
躾けられ、それを今まで実践して来たオヤジにはチョッと抵抗がある。それは
その教えがこれ迄の「社会」で結構評価されて来たからだ。自分では意識して
いなかったが、密かに見ている人が居た様で、利用した旅館や、料亭の女将に
それとなしに言われたことがあった。それでどうこうと言う訳では無いのだが
人からの見方が変ることがあるのなら意義もあるのだろう。これを履きだすと
オヤジの生活習慣が変り「無精者」になるかも知れないが、長年の習慣と言う
ものはそう変えられるモノでもなく、このサンダルも逆向きに脱ぎそうである。