不思議雲に遭遇
いつものように散歩に出てすぐだった。それまでカンカン照りだった遊歩道が
一天にわかにかき曇った。夕立でも来るのかと思い空を見上げたが、行く手に
雲は無かった。後ろを振り返って見ると、西に傾きかけた太陽周辺が不思議な
雲に覆われていた。まさに映画「未知との遭遇で」UFOの母船が現れる時の
ような黒く変な雲だった。よく見ると形は平べったいキノコ雲で、佐那河内の
山から立ち昇り、上空で丸く薄く広がっている様に見えた。その雲が、頭上に
ゆっくりと移動して来る。それはそれは不気味な光景だった。見方によったら
原子爆弾のキノコ雲のように、山に巨大な何かが落ち、チリやホコリが周囲に
舞い散っている様に見えないでもない。色々と考えていると段々不安になって
来た。北のミサイルでも落ちたかもしれない、早く帰ってテレビを見てみよう
などと、大の大人を急ぎ足で家路へと向わせた変な天体現象だったが、世の中
まだまだ見た事もないような遭遇があるものだ。本当に、不思議な雲であった。