懐かしき製作品
先日、春日井のOMが懐かしい製作品を持って来た。昭和40年代に自作した
435MHz帯の送受信機だが、当時を偲ばせる想い出の一品だった。その昔
春日井アマチュア無線クラブは、メンバー間の連絡用に145.00MHzを
使用していた。しかしこの周波数が、アマチュア無線局が呼び出しに使用する
メインチャンネルに指定された。そこでこの際、連絡用のチャンネルを435
MH帯に移行しようと言う事になった。当時はまだ435MHz帯は利用する
局の数も少なく、思い切って新しい周波数に切り替えようと言う試みだったが
その分、メーカー製の機器もまだ少ないのが現状だった。そこで技術力の高い
クラブのOM達が、無いのなら作ってやろうと始めたモノで、オヤジもOMの
指導を受けながら製作したが、とても難しかった事を覚えている。難しいのは
回路ではなく、当時「弁当箱」と呼ばれた筐体作りだった。真鍮板を折り曲げ
ハンダを流して箱を作って行く。信号が干渉しない様に細かい部屋を幾つもに
分けて作って行くのは大変だった。基本が手持ちの145MHz帯の機器から
発射される電波を3逓倍して435MHz帯の周波数を作るものだが、非常に
難儀したものだった。今なら簡単に波が出せるのに、当時は金を掛けない様に
するのに必死の「無銭家」だった。ただ、アマチュア業務の本分の一つである
技術的研究の業務が、いつも身の回りにあった懐かしい良き時代の産物である。
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