新語流行語雑感
ことば、と言うものは時代の移ろいとともに変わる。実際「広辞苑」や「現代
用語の基礎知識」などの辞書類に、新語・流行語大賞をとったり、ノミネート
された言葉が掲載されて行くのがその証しだ。それと並行する様に世の若者が
使う言葉は、何でもかんでも省略されて行く傾向にある。確かにSNSなどの
書き込みには長い言葉は不向きだが、本来の短縮目的を外れ、単に年寄りには
解らないだろう、とばかりに隠語のごとく使用し、悦に入るのは如何かと思う。
最近よくあるクイズ番組の中で「り」や「ま」とは何か、などと言った問題で
若者が大いに盛り上がっているのがその一例である。本来、言葉と言うものは
意思疎通の手段であり人間に与えられた特別なモノで、万人が理解できるもの
でなくてはならないハズだ。そんなツールを「年寄りとの差別化に利用して遊
ぶな」と言いたい。しかも「切手」や「食パン」それに「ボールペン」更には
横文字の「OECD」や「DMZ」など、逆に本来知っていなくては恥かしい
ような言葉を知らない連中に遊ばれたくない。「これってXXして頂く事って
可能だったりしますか」などと言う訳の解らない言葉を、さも流行で格好いい
とばかりに使用する連中も増えた。社員研修担当のオヤジからすれば、黒板を
爪で掻きむしる様な気持ち悪さだ。省略言葉も新語流行語も結構だが、いつの
時代も、正しい日本語とその使い方をマスターしてから初めて使うべきだろう。