一度食べてみる
散歩で徳島大学の裏の道を歩いていると、何処からか懐かしい匂いがして来た。
ラーメンの匂いだ。高校時代、校門の前にあった「まるく食堂」のラーメンを
思い出した。同じ高校に通う学生の父兄がやっているお店だと言う事で、唯一
出入りが認められていた店だ。毎週土曜日の部活前にはよく行った。ラーメン
一杯とチラシ寿司、それにジャガイモおでんを食べ、最後にチェリオを飲んだ。
オヤジは「まるく食堂」のラーメンが好きだった。イリコ出汁と鶏ガラ出汁を
合わせた半透明の出汁は、まさに青春の味だった。オヤジが地元を離れてから
誕生し有名になった、すき焼きの肉が乘った様なラーメンがご当地ラーメンに
なっている様だが、あんなのオヤジは認めない。やはり昔懐かしい味が一番だ。
まるく食堂は、オヤジが地元を離れていつの間にか無くなったが、一度真剣に
探偵ナイトスクープに依頼して、出来る事ならもう一度食べてさせて欲しいと
思ったほどだ。そんな懐かしい匂いがする食堂だが、散歩の途中で立寄るには
中途半端な時間なのがいけない。一度このラーメン、機会があれば食べてみる。
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