嘘はいけないよ
日本の自動車メーカー5社が試験データを虚偽申告していたとワイドショーが
伝えた。残念ながらオヤジの愛車も対象になっていたが、幸い安全に直結する
ような問題で無かったのでホッとしている。しかし事は事故に繋がらなければ
良い、と言った単純な問題では無い。日本車を代表する様なメーカーの5社が
世界に対して「嘘」をついたことが問題なのだ。こんなことがあれば、我々は
一体何を信じて、商品を買い求めれば良いのだろう。これは、高額な車だけの
問題では無い。日用品や食品等においても同じで「偽装」や「嘘」は良くない。
真実をありのままに公表して、消費者の評価を受けるべきだと思う。かつての
オヤジの仕事の一つに、注射液用アンプルの「溶出アルカリ検査」というのが
あった。生産されたアンプルをロットごとにランダムに抜き取り、純水を充填
して溶封、圧力釜で1時間加熱後、純水中に溶出したアルカリの量を滴定する
ものだ。ガラス加工の性質上、加工を急ぐあまり溶融時間を速めようとガスに
酸素を規定以上加えすぎると、加工後のアンプルからの溶出アルカリが増える。
そのためこの試験は大切な試験の一つだった。しかしこの値、ほぼ毎日毎日が
どのロットも、ほとんど同じ値で、もう検査しなくても、と思いたくなる様な
仕事だったが、人体に使用する注射液のアンプルだけにそれは許されなかった。
やはり企業たるもの「信用第一」蓄積するのは大変だが、失うのは一瞬である。
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